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冷却用ファンモーターについて


冷却用ファンモーターとは

一般的に装置組込用の安価なファンはインダクションモーターの軸に羽根を取り付けたファンが見受けられますが、モーター軸方向に長いファンモーターになり装置によってはファンのために筐体自体が大きくなってしまうことがあります。また、モーター径が大きいと羽根で導入した空気を効率よく流すことができません。

冷却用ファンモーターは回転する羽根の内側にモーターを組み込んでおり、羽根とモーターを組み合わせた製品と比較すると風の上がれる軸方向が非常に薄い形状にすることができます。

ファンモーターの特徴

弊社のファンモーターは一般的なインナーローター型のモーター回転部に樹脂羽根を取り付けた比較的安価なタイプからアウターローター型のモーター回転部に金属製の羽根を直接溶接した全金属製であるACファンモーターが特徴です。

ファンモーター内部のコイルからでる熱は樹脂材料が介在すると外部に伝達しにくいですが、全金属製のタイプは熱伝導に優れ、羽根を通して外部に放散されますので軸受部の温度も下がり長寿命が期待されます。

冷却用ファンモーターの用途

コンピューター、サーバー、OA機器、家庭用ゲーム機器から配電盤・制御機器・大型電源装置・熱交換器・無停電電源装置などあらゆる装置は高機能化・高密度化・小型化が進み内部の温度上昇が高くなり、自然空冷していた装置でも強制冷却が必須になってきております。

冷却用ファンモーターを取り付けることで外部の冷たい空気を導入し、装置内部で発生した熱を外部に排出して温度を下げる目的で使用します。

恒温槽や半導体製造装置の一部では内部の温度を均一にするために内部空気循環用として使用されるケースもあります。

ファンモーターのサイズ

ファンモーターはあらゆる装置に取り付けることを想定し
  • 四角いフレーム形状        : 40角から180角
  • 丸いフレーム形状         : φ150からφ200
  • フレームのない換気扇のような形状 : φ112からφ400
  • 吐出口がスリット形状のクロスフロー:193から553mm

ファンモーターの電源と接続

大別するとAC電源タイプとDC電源タイプ、AC電源入力DCファンタイプの3つがあります。
AC電源タイプ:
単相100V・115V・120V・200・220V・230Vがあり、機種により三相200V・220Vをラインナップしております。また、接続方法は二端子型・三端子型・リード線型があります。 コンデンサ型の場合はコンデンサを内蔵している機種もありますが、同梱しているコンデンサをお客様の配線上に接続して頂く必要があります。

DC電源タイプ:
DC24Vを基本とし機種によりDC12V・48Vがあり、端子型・リード線型があります。

AC電源入力DCファンタイプ(樹脂羽根Ecoファン):
比較的新しいタイプで、AC100Vから240V、50Hz~60Hzのいかなる電圧でも既定の回転数で動作するファンモーターです。駆動部はDCブラシレスタイプを採用しており、同一サイズの樹脂羽根ACファンと比較すると消費電力は約72%、質量は45%削減できますの省エネ効果抜群です。現在は120角38厚のサイズがあり、電源周波数による冷却能力の差もなく、防爆(欧州規格)・長寿命・防塵・防水・耐油すべての機能を兼ね備えておりますので設置環境を選ぶ必要がないため、既設ファンモーターの置き換えに最適です。

全世界でご使用頂けるよう北米、欧州、カナダ、中国、ロシアの安全規格を取得しております。

ファンモーターの保護機能

AC電源タイプ、120角以下(小型)のファンモーター
モーター拘束時のコイル飽和温度を焼損温度以下に押さえたインピーダンスプロテクト方式を採用しております。

特別な保護回路が入っている訳ではなく、コイルは温度が上昇すると抵抗値が高くなるインピーダンスの変化を利用し、拘束時(常温25℃)の飽和するコイル温度を125℃以下になるよう設計しています。

尚、拘束状態(耐熱温度近く)で長時間放置された場合、コイルの絶縁劣化を招き焼損に至る可能性がありますので、電源ラインに過電流遮断器やヒューズなどの設置が有効的です。

AC電源、120角を超える(中型・大型)ファンモーター
4極の回転数の低いコンデンサモーターなど本来温度上昇の低いタイプはインピダンスプロテクトの製品もありますが、標準的な2極のクマトリモーターでは拘束時の飽和する温度がコイルの耐熱温度を超えるため強制的にコイルへの通電を停止する必要があります。

内部コイルに特定温度以上で接点が切れる、温度が下がると接点が復帰するバイメタル方式のサーマルスイッチを取り付けたサーマルプロテクト方式を採用しております。

尚、サーマルスイッチにも接点寿命があり、繰り返し接点のON/OFFが行われると接点寿命に至り、接点が閉じた状態で異常になるとコイルが焼損する可能性がありますので、電源ラインに過電流遮断器やヒューズなどの設置が有効的です。

DC電源のファンモーター
最も多いタイプは、モーターが拘束されたことを回路で検出し、一定時間を超えるとコイルへの通電を強制的にオフにし保護動作を行う「電流カット方式」を採用しております。

この強制的に通電をオフにした状態を出力するのがロック(回転停止検出型)センサーです。

機種によってはコイルへの通電をカットした状態を維持し続け、電源の再投入により復帰する「電流カットラッチ型」と一定時間経過したのちに自動的に復帰する「電流カット自動復帰型」があります。

金属羽根タイプでは、120角がインバータ方式を採用しており、入力された直流電圧から4相クロックを生成してインダクションモーターを駆動しているため「インピーダンスプロテクト」を採用しております。また、Φ150タイプでは拘束時の電流が高いために一定電流以上流れた場合、PWM方式でコイル電流をスイッチングして電流を低減させる「電流制限方式自動復帰型」を採用しております。

ファンモーターの耐環境製品

ACファン)
標準品    :
耐環境性能はありません。一般環境でご使用下さい。
防湿型    :
巻線の標準ワニスにエポキシ樹脂をディッピングしたタイプです。
防塵・防水型 :
構造的に通電部に塵・水が浸入しにくい構造にしたIP55/65タイプがあります。
オイルミスト型:
巻線の標準ワニスにシリコンワニスを含侵し、結線接続部及びフレームのリード線口出し部など要所にシリコンを塗布したIPX4相当のタイプです。
耐油型    :
通電部全体をエポキシ樹脂で真空脱泡してポッティングしたIPX7相当のタイプです。
DCファン)
標準品    :
耐環境性能はありません。一般環境でご使用下さい。
防湿型(簡易):
基板表面に防湿絶縁コーティング剤を塗布したタイプです。
防塵・防水型 :
構造的に通電部に塵・水が浸入しにくい構造にしたIP65タイプがあります。
防水型    :
通電部全体をシリコンで真空脱泡してポッティングしておりIPX7準拠のタイプです。

ファンモーターの寿命

ファンモーターの寿命を大別すると、電気的な部品の寿命と機械的部品の寿命があります。
代表的なACファンモーター構造は、巻線、ローター(回転部)、フレームから構成されたシンプルな構造で電気的な部分は巻線しかないため定格内で使用される場合、まず問題が発生する事はなく、ほとんどの場合、機械的部品である回転部のベアリング、軸受グリスの寿命がファンモーターの寿命になります。

単純に寿命を延ばすには常温環境で定格電圧以下、連続運転を行うことが有効です。梱包状態や設置後停止している期間が長い場合、グリスの油分離など劣化が進行しやすいため定期的にファンを回転させ、グリスの油分離を回避することが重要です。

ファンモーターを監視するセンサー

通常、自然冷却では対応できない装置にファンモーターが取り付いているため、ファンモーターが停止すると装置自体の能力が低下するか装置自体が機能しない、内部の部品が破損するなど関連設備も含めて被害が拡大することが予想されます。

このような事態を事前に検出するためファンモーターの回転数を常に監視し、回転数が低下した場合アラームをだすファンセンサーをほとんどの鉄羽根タイプの機種に用意しております。

樹脂羽根タイプでもDCファンは回路上ロックしたことを出力するセンサ内蔵型もありますし、樹脂羽根ACファンでも一部対応している機種もありますのでお問合せ下さい。

ファンモーターと冷却性

装置にファンモーターを取り付けて外部の空気を内部に取り込む場合、ファンモーターを取り付けても想定していた冷却効果がでない場合があります。

熱源に対し選定したファンモーターの風量が少ないケースも考えられますが、ファンの風量を流せるだけの空間が確保されていることも重要です。

風は目に見えませんのでティッシュの切れ端など軽いもので吹き流しを作り、吸込側の風の流れを確認することも有効です。ファンの吸込側が解放状態なのに風が吸い込まれないのは、吐出側に風の流れを妨げる壁や部品があることが多く、高密度な装置に起こりやすい症状です。
また、吸込んだ空気を外部に出す装置自体の吐出口も重要です。

一般的には温度の高い空気は上昇するため、装置下部から吸込み上部に吐出口を設けるのが合理的ですが装置を床に設置した場合、床面の塵・埃を吸いやすくフィルターを設置するとすぐに目詰まりするため設置環境に合わせた工夫が必要です。

ファンモーターの風を押し込む能力が高いものを選定すれば高密度な装置でも風を流すことはできますが、ファンモーターのサイズが大きくなる、風の吸込み・吐出しの軸を変更しなければならないなど課題が多い場合、ファンモーターの二重反転ファンの選択肢もあります。

風の流れが同一方向で羽根の回転方向が異なる軸流ファンを2台組合せることで実現できます。軸方向にファンが2台必要になりますので外径サイズはそのままで奥行き方向に余裕がある場合に有効です。同じファンを2台直列に組み合わせても風量は2台分の効果は得られませんが二重反転方式であれば、同一の圧損条件で比較するれば約1.5倍以上の風量が得られます。

ファンモーターの取付方向の留意点

耐環境製品であっても設置方向を工夫することでリスクを低減することが可能です。

一般的に取付方向の指定はありませんが、湿度の高い環境、オイルミストの環境などファンモーターを設置する方向で大きく寿命が変わる場合がありますので注意が必要です。
ファンモーターには必ずリード線があります。湿度やミストの多い環境では付着した水分・油分が付着しリード線を伝って内部に侵入するケースが想定されますので、リード線を地面側に配置することでリスクが低減します。

また、回転するローターの中央部はカップ形状になっている場合が多く、軸垂直で設置する場合カップ内部に水・油分が溜まる方向の設置は注意が必要です。

ファンモーターを複数台運転する

圧損が非常に高い装置で同一面にファンモーターを2台以上設置すると、意図する風の流れではなく隣接するファンを通って吸込側に風が戻る症状が発生します。外観上羽根が回転しているのでわからないケースもありますが、起動時から数分観察していると正方向に回転するものの途中から回転数が低下し停止状態になってから逆回転することを確認することができます。複数台同時にファンモーターを起動しても個々のトルクのバラつきや装置内部形状によって発生しない場合もありますので注意が必要です。